ふと思い立ち、
上賀茂神社 賀茂別雷神社へ

少し曇り空の一日
でも「天空で雷鳴が轟き、一本の丹塗矢が降ってきました」という上賀茂神社の神話を思うと、
この空模様すら神様の物語と重なっているように感じられます


上賀茂神社といえば「立砂(たてずな)」
白く盛られた円すいの砂は、御祭神の依代とされるもの
静かな境内で凛とした存在感を放ち、ただそこにあるだけで心が洗われるようでした

こちらの朱色の楼門は、いつ訪れても目を奪われます
華やかさと同時に、人々の祈りを何百年も受け止めてきた重みが漂っていて、
立ち尽くすと不思議な安心感に包まれます


境内の片山御子神社にもお参りしました
御祭神は賀茂別雷大神様の母神・賀茂玉依姫命様
縁結びや子授けのご神徳で知られ、紫式部ゆかりの場所としても有名です
平安の昔、紫式部もここで恋の成就を願ったと伝わっています

「ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに たちやぬれまし」
――森の雫に濡れても、あなたを待ち続けます
この歌に込められた切ない想いは、千年を越えて今も社に響いているようでした
遠い時代の女性と、今の私たちの願いが重なる瞬間
神社という場所の深さを、改めて感じました
祈りは時を越えて続いていく
そんなことを思いながら、静かな境内を後にしました
今日という日に、祈りを添えて ― 瓊華